2008年08月19日
タイガーマスクにみる人生訓
言わずと知れた梶原一騎・辻なおき原作のスポ根アニメの
金字塔です
プロバイダーのキャンペーンで、つい、フラフラと観てしまいましたが、今ではまた違う観点からみることが出来て、とても感動しました。
梶原一騎は、日本人の心の琴線に触れる言葉を紡ぎ出すのは
天才的です
いろんな逸話のある人物ですが、〝巨人の星〟や
あしたのジョー〟などスポ根アニメの原作でも知られ、豪放磊落な
人生を送られた方でもあります。
アニメの第一期は、1969~71年放送なので、私も再放送でしか
観ていませんが、OPを聞いただけで、当時にタイムスリップ
でも、今改めて観てみると、世界中から孤児を集めて、アルプス山中の虎の穴で悪役レスラーを養成、10%が生き残り、活躍出来る
レスラーになって、ファイトマネーの50%を組織に上納するという
何とも投資回収率の低い、まるで虎の穴の総帥の道楽のような組織です。当時は、PVやビデオもないし、会場収入とテレビの放映権
くらいしか取れなかったでしょうから・・・
協力に日本プロレス協会がついて、作品中にもジャイアント馬場、
アントニオ猪木、吉村道明などが、作品中にも登場します。
伊達直人は、孤児院の出身で、早くから大人の欺瞞に気づいて
いて、孤児院が経営難で閉鎖される直前の動物園見学の際に飛び
出し、「虎のように強くなる」と自分の身ひとつで、生きていくということを誓い、折りよく虎の穴のスカウトに拾われて、機上の人となります。
そこで、志を忘れず、死の特訓に耐え、アメリカマット界での活躍を
土産に凱旋帰国します。
悪役レスラーはアウェーで対戦することが多いし、逆輸入の日本人として悪役、しかも覆面レスラーという設定は、当時としては非常に練られたものだと思います
ちびっこハウスの存続費用を捻出するため、上納金の支払いを拒み、裏切り者として刺客を送られることになるのですが、悪役からベビー
フェイスへと転身し、施設への支援を欠かさず、自分の出自を隠して、日本マット界で活躍し続けます。
もちろん、虎の穴の極東司令官としてミスターXが登場しますが
総帥に失態の責任追及で処刑される前にと103話でタイガーマスクを事故死に見せかけ殺そうと計画するも、自ら運転を誤り、事故死して
しまうという中間管理層の悲哀を感じさせられました
施設の若月ルリ子との悲恋やタイガーマスクを助ける虎の穴の裏切り者の日本人レスラーの自己犠牲、屍を乗り越えて、目的達成のために死力を尽くすという悲壮なる覚悟が、特攻に向かう前の特攻隊員を思わせ、103話以降は、つい涙が
最終話(105話)では、総帥のタイガー・ザ・グレートとの一騎打ち。
フェアープレーで応戦するものの、凶器攻撃でマスクが破れて、素顔が明らかになり、伊達直人として自分を取り戻したタイガーは、ラフ
ファイトでタイガー・ザ・グレートを完膚なきまでに叩き潰して、会場を後にします。
素顔が明らかになり、伊達直人は、日本を離れますが、同志にマスクを託すことで、自分の志を継いでくれる後進に自分の思いを伝えようとする場面にとても心が痛みます。
戦災孤児などの存在がまだ、そんなに遠くなかった頃、みんな貧しくて、孤児が生きていくのは大変だったと思います。
逆境の中で早くから自立することの大切さや正義感を通しての
倫理観、人の情け、自己犠牲などの人生訓が折々に散りばめられていて、改めてみることが出来て、よかったです
私も発症者の支援をしていて、マイノリティに対する世間の目という
ものを痛切に感じる時があります。
まだまだ、目に見えない障害については、いろんな面で厳しいのが
現状です。
今は、物質的にはるかに豊かになりましたが、精神的な豊かさや人情の機微のようなものは、風前の灯のような気がします。
80年前に書かれた小林多喜二の蟹工船が50万部のベストセラーになる昨今、何かがおかしくなってきています。
日本人として先人達が大切にしてきたものを今一度、再考してみる
のは、必要なことではないでしょうか?
金字塔です
プロバイダーのキャンペーンで、つい、フラフラと観てしまいましたが、今ではまた違う観点からみることが出来て、とても感動しました。
梶原一騎は、日本人の心の琴線に触れる言葉を紡ぎ出すのは
天才的です
いろんな逸話のある人物ですが、〝巨人の星〟や
あしたのジョー〟などスポ根アニメの原作でも知られ、豪放磊落な
人生を送られた方でもあります。
アニメの第一期は、1969~71年放送なので、私も再放送でしか
観ていませんが、OPを聞いただけで、当時にタイムスリップ
でも、今改めて観てみると、世界中から孤児を集めて、アルプス山中の虎の穴で悪役レスラーを養成、10%が生き残り、活躍出来る
レスラーになって、ファイトマネーの50%を組織に上納するという
何とも投資回収率の低い、まるで虎の穴の総帥の道楽のような組織です。当時は、PVやビデオもないし、会場収入とテレビの放映権
くらいしか取れなかったでしょうから・・・
協力に日本プロレス協会がついて、作品中にもジャイアント馬場、
アントニオ猪木、吉村道明などが、作品中にも登場します。
伊達直人は、孤児院の出身で、早くから大人の欺瞞に気づいて
いて、孤児院が経営難で閉鎖される直前の動物園見学の際に飛び
出し、「虎のように強くなる」と自分の身ひとつで、生きていくということを誓い、折りよく虎の穴のスカウトに拾われて、機上の人となります。
そこで、志を忘れず、死の特訓に耐え、アメリカマット界での活躍を
土産に凱旋帰国します。
悪役レスラーはアウェーで対戦することが多いし、逆輸入の日本人として悪役、しかも覆面レスラーという設定は、当時としては非常に練られたものだと思います
ちびっこハウスの存続費用を捻出するため、上納金の支払いを拒み、裏切り者として刺客を送られることになるのですが、悪役からベビー
フェイスへと転身し、施設への支援を欠かさず、自分の出自を隠して、日本マット界で活躍し続けます。
もちろん、虎の穴の極東司令官としてミスターXが登場しますが
総帥に失態の責任追及で処刑される前にと103話でタイガーマスクを事故死に見せかけ殺そうと計画するも、自ら運転を誤り、事故死して
しまうという中間管理層の悲哀を感じさせられました
施設の若月ルリ子との悲恋やタイガーマスクを助ける虎の穴の裏切り者の日本人レスラーの自己犠牲、屍を乗り越えて、目的達成のために死力を尽くすという悲壮なる覚悟が、特攻に向かう前の特攻隊員を思わせ、103話以降は、つい涙が
最終話(105話)では、総帥のタイガー・ザ・グレートとの一騎打ち。
フェアープレーで応戦するものの、凶器攻撃でマスクが破れて、素顔が明らかになり、伊達直人として自分を取り戻したタイガーは、ラフ
ファイトでタイガー・ザ・グレートを完膚なきまでに叩き潰して、会場を後にします。
素顔が明らかになり、伊達直人は、日本を離れますが、同志にマスクを託すことで、自分の志を継いでくれる後進に自分の思いを伝えようとする場面にとても心が痛みます。
戦災孤児などの存在がまだ、そんなに遠くなかった頃、みんな貧しくて、孤児が生きていくのは大変だったと思います。
逆境の中で早くから自立することの大切さや正義感を通しての
倫理観、人の情け、自己犠牲などの人生訓が折々に散りばめられていて、改めてみることが出来て、よかったです
私も発症者の支援をしていて、マイノリティに対する世間の目という
ものを痛切に感じる時があります。
まだまだ、目に見えない障害については、いろんな面で厳しいのが
現状です。
今は、物質的にはるかに豊かになりましたが、精神的な豊かさや人情の機微のようなものは、風前の灯のような気がします。
80年前に書かれた小林多喜二の蟹工船が50万部のベストセラーになる昨今、何かがおかしくなってきています。
日本人として先人達が大切にしてきたものを今一度、再考してみる
のは、必要なことではないでしょうか?
Posted by reina at 17:53│Comments(1)
この記事へのコメント
こんばんはkazzです。
なつかしいですな、タイガーマスク。
TVの方のタイガーは、当時の社会問題を子供にもわかるように時々うまく取り込んだストーリーの回が何回かあったように記憶してます。公害やひき逃げ等。
もう何10年も見てないでやんす。
声優さんが病欠で“ガッチャマン”の声のタイガーマスクの時があったり、いろいろ思いだしました。
しかし、漫画の方のタイガーは最後に交通事故で死んでしまうという全く救いの無い終わり方でやんした。
なつかしいですな、タイガーマスク。
TVの方のタイガーは、当時の社会問題を子供にもわかるように時々うまく取り込んだストーリーの回が何回かあったように記憶してます。公害やひき逃げ等。
もう何10年も見てないでやんす。
声優さんが病欠で“ガッチャマン”の声のタイガーマスクの時があったり、いろいろ思いだしました。
しかし、漫画の方のタイガーは最後に交通事故で死んでしまうという全く救いの無い終わり方でやんした。
Posted by kazz at 2008年08月22日 03:31